小柳隆郎
職業:総合清掃事業会社最高財務責任者 兼 WEBチーフディレクター
株式会社すかいらーく、株式会社KIREI produce、フリーランスグラフィックデザイナーを経て総合清掃事業会社でのWEB事業を担当。
現在は経営層の一人として加わり、清掃関係コラムを寄稿する事も精力的に行っている。
洗濯物が生乾き臭いのは、洗濯機が原因かもしれません。洗濯物を洗い直しても臭いが取れないという場合、洗濯機内部にカビや雑菌が繁殖している可能性があります。洗濯槽の定期的なお掃除をすることで、カビや雑菌の繁殖を防いでいきましょう。本記事では、生乾き臭さの原因を解説し、お掃除の方法についてご紹介します。プロの分解洗浄の活用メリットについても触れていきますので、生乾き臭にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
洗濯物を干す際に、生乾きの臭いがすることはありませんか?それは洗濯機の中に問題があるかもしれません。洗濯機にはカビや雑菌が繁殖することがあり、これが生乾きの臭いの原因となっていることがあります。
特に、残り湯で洗濯をしている方は要注意です。浴槽の残り湯は雑菌が多く、それが洗濯槽に残って繁殖することもあります。
また、臭い対策としてアロマ洗剤や香りの強い柔軟剤を使っている方も多いですが、雑菌を元から殺菌しないことには効果はありません。
洗濯機の中には湿気がたまりやすく、暗くて風通しが悪い環境です。これがカビや雑菌の繁殖を促す要因となります。特に洗濯槽の裏側や配管の中は水が溜まりやすく、カビの温床となります。
また、洗剤や柔軟剤の残留物もカビの原因となることがあります。生乾き臭を打ち消すために規定量より多く洗剤や柔軟剤を注入するとすすぎきることができず、かえってカビの繁殖を促してしまうのです。洗濯機の中だけでなく洗濯物にも洗剤や柔軟剤が付着してしまうので、適量を守って洗濯するようにしましょう。
洗濯が終了したのに気づかず、すっかり干すのを忘れてしまったという経験がある方も多いかもしれません。長時間洗濯物を濡れたまま放置すると細菌が発生しやすくなります。
また、脱衣所に洗濯機を設置する方は多いですが、入浴後の浴室からの湯気も洗濯機内の湿度を上昇させてしまいます。
洗濯機内の湿度が上昇すると、洗濯槽の裏にぬるぬるとしたバイオフィルムが発生してしまうため、洗濯機の蓋を開けておいたり、脱衣所や浴室を換気したりすることで湿度がこもるのを予防しましょう。特にドラム式洗濯機は湿度が高まりやすいため、日々換気を意識することが大切です。
生乾きの臭いを防ぐため、洗濯機の定期的な掃除が必要です。洗濯槽や配管を定期的に洗浄し、カビや雑菌の繁殖を防ぎましょう。洗濯槽クリーナーを使用するか、重曹やクエン酸を使用して掃除することも効果的です。この章では洗濯槽や各パーツのお手入れ方法の手順をご紹介します。
洗濯槽は水や洗剤が残っているため、カビや菌の繁殖が起こりやすい場所です。それらのカビや菌は、洗濯物に悪臭や汚れを付着させるだけでなく、健康被害の原因になり替え寝ません。洗濯槽をきれいにするための方法として、洗濯槽クリーナーを使う場合と重曹やクエン酸を使う場合の2パターンをご紹介します。
洗濯槽クリーナーを使うことで、効果的に汚れやカビを除去することができます。洗濯槽クリーナーには塩素系・酵素系の2種類がありますが、酵素系の場合はドラム式洗濯機では使えない場合があるので注意が必要です。
洗濯槽クリーナーの使い方は、洗濯機やクリーナーに表記されている取扱説明書にしたがってください。主な流れは以下の通りです。
1.洗濯槽に直接洗濯槽クリーナーを投入する
2.水またはぬるま湯を入れ、つけ置きする※洗剤によって不要な場合があります
3.「標準コース」または「洗濯槽洗浄コース」で運転する
4.浮き出た汚れがあれば取り除き、追加ですすぎを行う
洗濯槽クリーナーを使用すると洗濯槽にこびりついていた汚れがはがれ、カスとなって出てくる場合があります。何年も掃除をしていないとその量に驚くかもしれません。洗濯物にも付着してしまうので、大変ではありますがカスが出てこなくなるまで何度もすすぎを行ってください。
洗剤を使用せずに自然な方法で洗濯槽を洗うこともできます。例えば、重曹やクエン酸を使用する方法などです。重曹は汚れを浮き上がらせる効果があり、クエン酸はカビや汚れを溶かす効果があります。掃除の流れは以下の通りです。
1.水またはぬるま湯を入れる
2.適量の重曹やクエン酸を入れる(200cc程度)
3.2時間程度つけ置きする
4.「標準コース」または「洗濯槽洗浄コース」で運転する
5.浮き出た汚れがあれば取り除き、追加ですすぎを行う
ただし、重曹やクエン酸は洗濯槽クリーナーほどの洗浄力はありません。完全に水に溶けていない場合は詰まりを起こす可能性もあります。すでに臭いに困っていたり、長期間掃除していなかったりする場合にはおすすめできません。
洗濯槽のほか、洗濯機でお手入れすべき部品には洗剤投入ケース・排水フィルター・乾燥フィルター(ドラム式洗濯機のみ)などがあります。これらが直接的に生乾き臭に影響することは考えにくいですが、汚れが蓄積して洗濯槽や洗濯物に付着してしまうこともあるため、こまめに掃除することをおすすめします。
特にフィルターが詰まってしまうと洗濯効率を低下させるだけでなく、洗濯機自体にも悪影響を及ぼす可能性があります。洗濯をするごとに水ですすいだり、ブラシを使ったりなどして汚れを取り除くことを習慣づけましょう。
掃除機の仕組みは非常に複雑で、前の章でご紹介した掃除方法を実践してもなお完璧にきれいにするのは難しいかもしれません。「買ってから一度も掃除したことがない」「掃除しても生乾き臭がする」という方は、清掃業者による分解洗浄をおすすめします。
洗濯槽や排水ホースなどパーツごとに分解し、それぞれを専用クリーナーや高圧洗浄機でクリーニングしていきます。ダイレクトに汚れを落としていくため、洗濯槽の裏側やホースの内側の黒カビも除去できるのがメリットです。
新品同様の状態まできれいになるため、洗濯槽クリーナーなどを使った掃除の後に出てくるカスに悩まされることもありません。しかも、臭いの解消だけでなく洗濯効率がアップしたり乾きやすくなったりするため、電気代の節約にもつながります。
分解洗浄にかかる料金は業者によって異なりますが、相場は以下の通りです。
●縦型洗濯機:1〜2万円
●ドラム式洗濯機:2〜3万円
この他、オプションや対応エリアによって差が出る出張費用など、追加料金が発生しないかも確認しておきましょう。
洗濯機の分解洗浄の頻度は約2年に1度程度がおすすめです。すでに臭いが常習化している場合や、高頻度で洗濯機を使用するという場合(1日3回以上)は、1年に1度の分解洗浄を検討するとよいでしょう。
分解洗浄の料金は高いと思われるかもしれませんが、1〜2年に1回の頻度で生乾き臭や大掃除から解放されることを考えれば、ぜひ利用したいところです。
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生乾きの臭いは洗濯機内で増殖した雑菌が原因となっている可能性が高いため、定期的な清掃を心がけましょう。洗濯槽を掃除するには洗濯槽クリーナーを定期的に使うのが最も効果的ですが、汚れのたまり具合によってはカスが浮いてくることがあります。何度も汚れを取り除くのは大変なうえに、そこまで雑菌が繁殖しているとなると今後洗濯するのも心配になるかもしれません。業者に依頼すれば細かいところまで分解洗浄が可能ですので、2年に1度の大掃除として利用してみてはいかがでしょうか。