小柳隆郎
職業:総合清掃事業会社最高財務責任者 兼 WEBチーフディレクター
株式会社すかいらーく、株式会社KIREI produce、フリーランスグラフィックデザイナーを経て総合清掃事業会社でのWEB事業を担当。
現在は経営層の一人として加わり、清掃関係コラムを寄稿する事も精力的に行っている。
エアコンの臭いの原因はエアコン内部で発生しているカビや汚れ、生活臭などによるものといわれています。臭いを根本的に解消するには、分解クリーニングが効果的です。しかし、今すぐ臭いを消したいという人も多いのではないでしょうか。そんなときは、冷房の時期なら16度、暖房の時期なら30度に設定して運転してみると臭いが消えるかもしれません。
この記事では、エアコンの臭いを消すために、16度の冷房運転、30度の暖房運転をする方法や効果についてご紹介し、どちらがより効果的なのか解説します。
目次
エアコンの臭いが気になるときは、設定温度を16度にして運転してみる方法を試してみてください。1時間程度運転すると、臭いが消えるといわれています。ここでは、設定温度16度の冷房運転で臭いを消す方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エアコンの臭いを消すための手順は次のとおりです。
1.窓を全開にする
2.冷房の設定温度を16度にして運転する
3.そのまま1時間程度運転を続ける
上記のとおり、エアコンの臭いを消すには、まず部屋の窓を全開にして空気の通りをよくすることが大切です。窓を開けないままの状態では、臭いが部屋中にこもってしまいます。そのため、この方法を試すときは必ず窓を全開にすることがポイントです。窓を開けたら、冷房の設定温度を16度にして1時間程度運転しましょう。運転を続けているうちに、エアコンの臭いが消えてくるはずです。
エアコンの嫌な臭いの原因の一つは熱交換器に付着したホコリやカビの汚れです。設定温度を16度にして冷房運転すると熱交換器が冷たくなります。熱交換器が冷たくなると結露が発生し、表面に水分が付着します。この水分が臭いの元となっている汚れを洗い流し、臭いを消すという仕組みです。
エアコンは設定温度と室内温度の差によって運転中のパワーが変わります。設定温度を最低の16度にすると室内温度との差が大きくなるためエアコンがフルパワーで運転することになり、熱交換器に大量の結露が付着し、より臭いを消す効果が高まるのです。
エアコンの臭いを消す効果を高めるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
・湿度や温度が高めの日に行う
・運転中は必ず窓を開けておく
・雨天時には行わない
臭いを消す効果を高めるには、湿度や温度が高めの日に行うのがポイントです。湿度や温度が高いと結露が発生しやすくなり、汚れがよく洗い流されます。また、運転中に窓を開けておくことも大切です。窓を開けておくと室内の温度が下がらずフルパワーで運転し続け、汚れを効率的に除去してくれるでしょう。
ただし、運転時など湿度が80%以上になる日は、結露が多くなりすぎるため注意が必要です。大量の水分が付着して水漏れする可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。
先ほど紹介した方法とは逆に、設定温度を最高の30度にして暖房運転することでエアコンの臭いを消す方法もあります。涼しくなってきたころに試してみるのがおすすめです。ここでは、設定温度30度の暖房運転で臭いを消す方法について、手順や仕組み、ポイントを解説します。
設定温度を30度にしてエアコンの臭いを消すための手順は次のとおりです。
1.窓を全開にする
2.暖房の設定温度を30度にして運転する
3.設定温度30度のまま1時間程度運転する
冷房運転をするときと同様に、まず部屋の窓を全開にします。窓を開けることで、部屋にこもっていた空気が外へ排出されます。次に、暖房の設定温度を30度にして1時間程度運転を続けてください。エアコンの設定温度は通常30度が最高ですが、より高く設定できる場合は可能な限り高くするのがおすすめです。運転し続けているうちに、エアコンの嫌な臭いが軽減されるでしょう。
前述のとおり、エアコンから嫌な臭いが発生する原因の一つはエアコン内部で繁殖したカビです。エアコンをつけると、風とともにカビが空気中に舞い、カビ臭さの原因になります。
設定温度を30度にして運転することで、エアコン内部に付着していたカビの繁殖が抑制されます。カビが繁殖できる環境はおおむね25~28度です。そのため、エアコンの設定温度を高温にするとカビが繁殖できなくなり、臭いが軽減される可能性があります。ただし、カビは完全に死滅するわけではありません。そのため、一時的に臭いが軽減されても、再び発生する可能性が高いでしょう。
エアコンの設定温度を30度にして臭いを消すためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
・気温が低めの日に行う
・運転中は窓を開けておく
・1時間程度運転を続ける
暖房を使った方法で臭いを消すときは、気温が低めの日に行うことがポイントです。また、運転中は窓を開けっぱなしにしておきましょう。消臭の効果を高めるためには、エアコンをフル稼働させなければなりません。窓を開けておくことで室内の温度が高くならず、エアコンはフル稼働で運転し続けます。エアコンの温度が高くなるほど、カビを抑制するのに効果的です。
ただし、暖房を使って臭いを消す方法は、臭いの原因がカビの場合のみ効果が期待できます。臭いの原因は、カビ以外にもエアコン内部にたまったホコリや生活臭などです。そのため、この方法で効果が感じられない場合は、別の方法を試してみましょう。
16度で冷房運転する方法と30度で暖房運転する方法は、どちらもエアコンの臭いを軽減するのに効果があります。ただし、前述のとおり30度で暖房運転した場合の消臭効果は、カビが臭いの原因となっている場合のみです。そのため、臭いの元を根本的に取り除くなら、16度で冷房運転するほうが効果が高いでしょう。
16度で冷房運転する方法は、結露を発生させることで臭いの元となるカビやホコリなどの汚れを除去するため、カビ以外の臭いにも効果が期待できるでしょう。また、エアコンメーカーのなかには、この方法を認めているケースもあります。実際に、16度の冷房運転を試してみて効果を感じられたという意見も少なくありません。
ただし、16度冷房と30度暖房、どちらも場合もフル稼働させることが前提です。そのため、冷房を使う暑い時期は16度冷房、逆に暖房を使う寒い時期は30度暖房が向いています。どちらが効果的かということではなく、時期に合わせて実践しやすい方法を選ぶと良いでしょう。
16度の冷房運転や30度の暖房運転は、あくまでも一時的に臭いを抑える方法です。しばらく使用しているうちに、再び臭いがしてくる可能性があります。そんなときは、より根本的に臭いの元を除去するために、エアコンの掃除をしましょう。ここでは、掃除の方法を解説します。
エアコンのフィルターや本体の拭き掃除は、自分で行うことも可能です。フィルターは本体から取り外して掃除機でホコリを吸い取り、水洗いして乾かしましょう。また、本体のカバーや吹き出し口など、本体の見える部分は水拭きをして汚れを取り除いてください。
フィルターや本体を自分で掃除しても臭いが取れない場合は、専門の業者へ掃除を依頼するのがおすすめです。エアコンの内部は複雑な構造になっているため、素人が分解すると故障の原因になります。プロによるクリーニングなら、エアコン本体を分解して送風ファンや熱交換器に付着した臭いの元を根本的に除去してくれるでしょう。
エアコンの臭いを消す方法として、16度で冷房運転する方法と30度で暖房運転する方法があります。16度で冷房運転する方法は、エアコン内部に結露を発生させることで臭いの元を洗い流す方法です。一方、30度で暖房運転する方法は臭いの元となるカビの繁殖を抑える効果が期待できるでしょう。ただし、どちらも一時的に臭いを軽減するには効果的ですが、しばらくすると再び臭いが戻ってくることが難点です。
エアコンの臭いを根本的に解消したい場合は、フィルターやエアコン本体を自分で掃除する、あるいは専門の業者へ相談して分解クリーニングをしてもらうことをおすすめします。