小柳隆郎
職業:総合清掃事業会社最高財務責任者 兼 WEBチーフディレクター
株式会社すかいらーく、株式会社KIREI produce、フリーランスグラフィックデザイナーを経て総合清掃事業会社でのWEB事業を担当。
現在は経営層の一人として加わり、清掃関係コラムを寄稿する事も精力的に行っている。
エアコンから突然聞こえてくるポコポコ音に悩まされていませんか?この音は故障ではなく、気密性の高い住宅で起こりやすい現象です。本記事では、エアコンのポコポコ音が発生する原因と、すぐに音を止める方法、さらに予防策までを詳しく解説します。快適な生活を取り戻すための対策をご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
エアコンから聞こえるポコポコ音は、主に2つの原因が考えられます。室内外の気圧差と、ドレンホースの詰まりです。これらの原因を理解することで、効果的な対策を講じることができます。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
エアコンのポコポコ音は、室内の気圧が室外よりも低くなることで発生します。気密性の高い住宅では、換気扇の使用や窓を閉め切った状態で、室内の気圧が低下しやすくなります。すると、気圧の高い外気がドレンホースから逆に流れ、エアコン内部の水受け皿(ドレンパン)を通過する際にポコポコという音を立てるのです。特に雨の日や風の強い日、台風の時期にこの現象が起きやすくなります。気圧差によるポコポコ音は、一時的な対処で解決できることが多いため、まずは簡単な方法で対策を試してみましょう。
エアコンのドレンホースに詰まりが生じている場合もポコポコ音の原因となります。エアコンの結露水を排出するドレンホースに、ホコリや汚れが蓄積すると、水の流れが悪くなります。その結果、ホース内に水が溜まり、空気と水が混ざることでポコポコ音が発生するのです。ドレンホースの詰まりは、エアコンの水漏れや故障にも繋がる可能性があるため、定期的な点検と清掃が重要です。ドレンホースの詰まりが原因の場合、窓を開けるなどの一時的な対処では音が止まらないことが多いため、掃除や専門業者による点検が必要になります。
エアコンのポコポコ音に悩まされた場合は、まず簡単にできる対処法を試してみましょう。これらの方法は一時的な解決策ですが、すぐに音を止めたい場合に効果的です。以下に4つの方法を紹介します。状況に応じて最適な方法を選んでください。
窓を開けることは、エアコンのポコポコ音を止める最も簡単な方法の一つです。窓を開けると室内外の気圧差がなくなり、ドレンホースからの空気の逆流を防ぐことができます。特に気密性の高い住宅では効果的です。窓を少し開けるだけでも効果があるので、まずはこの方法を試してみましょう。窓を開ける時間は、音が止まるまでの数分間で十分です。
換気扇を使用している場合、それを止めることでポコポコ音が消えることがあります。換気扇は室内の空気を外に排出するため、室内の気圧を下げる原因となります。換気扇を止めることで室内外の気圧差が小さくなり、ドレンホースからの空気の逆流を防ぐことができます。換気扇を止めても音が続く場合は、他の方法と併用することをおすすめします。
ドレンホースの向きを調整することで、ポコポコ音を軽減できる場合があります。特に風の強い日に効果的です。ドレンホースの先端が風向きに対して垂直になるように調整することで、風の影響を受けにくくなります。ただし、無理な力をかけてドレンホースを曲げたり、ねじったりしないよう気をつけてください。ドレンホースを損傷させると、水漏れや故障の原因となる可能性があります。安全に調整できない場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
一時的な対処法として、水を入れたペットボトルにドレンホースの先を差し込む方法があります。この方法では、水がドレンホースの出口を塞ぐため、空気の逆流を防ぐことができます。ペットボトルの上部を切り取り、半分程度まで水を入れ、そこにドレンホースの先を差し込みます。ただし、この方法は長期間続けると、ペットボトル内の水が汚れたり、カビが発生したりする可能性があります。あくまでも一時的な対処法として使用し、定期的に水を交換するなどの管理が必要です。
エアコンのポコポコ音を根本的に解決するためには、予防策を講じることが重要です。一時的な対処だけでなく、長期的な視点で対策を考えることで、快適な生活環境を維持できます。ここでは、効果的な予防策として、逆流防止弁の取り付けとドレンホースの掃除について詳しく説明します。
逆流防止弁(エアカットバルブ)は、ドレンホースからの空気の逆流を防ぐ効果的なアイテムです。この装置をドレンホースに付けることで、ポコポコ音の発生を大幅に軽減できます。逆流防止弁は、水の排出は許可しつつ、空気の逆流を防ぐ仕組みになっています。ホームセンターなどで購入可能で、比較的安価で入手できます。取り付けは簡単ですが、正しく装着しないと効果が得られないため、説明書をよく読んで取り付けましょう。また、定期的に逆流防止弁の点検と清掃を行うことで、長期的な効果を維持できます。
ドレンホースの定期的な掃除は、ポコポコ音の予防に非常に効果的です。ホース内に蓄積した汚れや水垢を除去することで、水の流れをスムーズにし、音の発生を防ぎます。掃除方法としては、専用のドレンクリーナーを使用する方法や、掃除機を使用する方法があります。ドレンクリーナーは、ホースに挿入して汚れを吸い取る道具で、効果的に掃除ができます。掃除機を使用する場合は、ホースの先端を塞ぎ、反対側から吸引することで汚れを取り除きます。ただし、無理な力をかけると、ホースを損傷する可能性があるため、注意が必要です。
エアコンのポコポコ音を完全に解消し、快適な生活環境を取り戻すためには、エアコンクリーニングが最も効果的です。専門業者は、エアコン内部の汚れやドレンホースの詰まりを専門的な技術と道具で徹底的に清掃し、機器全体の性能を回復させます。また、ポコポコ音の原因を特定し、適切な対策を講じることができます。定期的なエアコンクリーニングは、音の問題以外にも、エアコンの効率向上や寿命延長にも繋がります。費用はかかりますが、長期的に見れば家計の節約にもなるため、専門業者への依頼を検討することをおすすめします。
エアコンのポコポコ音や異音の修理を業者に依頼する場合におさえておきたい選び方のポイントは、修理プランの中に詰まり除去の項目が用意されているかどうかです。この項目が用意されていない業者に依頼してしまうと、さまざまなトラブルが起きてしまう可能性も否定できません。
ポコポコ音や異音の症状が起きている場合、エアコン本体や室外機などに問題はなく、排水ホースに問題が生じているケースがほとんどです。しかし、詰まり除去のプランが用意されていない業者に依頼してしまうと、他のプランが適用されて思わぬ高額請求を受けることになってしまう可能性もありますので注意が必要です。プランの事前チェックは欠かさずに行いましょう。本当に排水ホースの詰まりが原因でポコポコ音が発生している場合の修理料金は、8,000~16,000円程度が相場価格なので、信頼して任せられる業者を選ぶためにも、こういった相場価格やプランの内容を事前に把握しておくことが非常に大切です。
エアコンのポコポコ音は、室内外の気圧差やドレンホースの詰まりが主な原因です。一時的な対処法として窓を開けたりドレンホースの向きを調整したりすることで、すぐに音を止められる場合があります。しかし、根本的な解決には逆流防止弁の取り付けやドレンホースの定期的な掃除が効果的です。それでも改善しない場合は、プロのエアコンクリーニングをおすすめします。快適な生活環境を維持するために、定期的なメンテナンスを心がけることが大切です。